第26回全国老人保健施設大会(神奈川)
平成27年9月3日~9月4日
タイトル:社会参加につなげるためのデイケア改革 ~第1報~
演者:栗田 俊希

目的

今後の通所リハビリで働く介護士は、介護=お世話という意識を捨て、介護=自立支援という意識のもと利用者と接する必要があると考える。そのため、ここでの自立支援は楽しく自立していく事と支援していく事を目的とし、介護士の役割を検討したので、報告する。

方法

プロジェクトチームを発足した。メンバーは、医師、看護師、セラピスト(理学療法士)、介護士、ソーシャルワーカー、ケアマネージャーの構成である。そして、多方面の意見をもとに、リハビリ計画書の作成から評価及び、デイケアでの一日の流れを話し合い、介護士の役割について再確認した。介護ニーズへの対応や質の高い介護サービスを確保又、介護職員の安定的な確保を図るとともに、更なる介護技術の向上への取り組みが必要だと考えた。
MC(司会者)の改善・工夫を考えてみた。MCの仕事内容は頭の体操、発声訓練の進行・盛り上げ役である。今までは60~70名の利用者に対してMC一人で行われていた為、狭い範囲にしか声をかける事しか出来ていなかった。そこで、MCを二人にして取り組んでみた。頭の体操では、絵を描いて連想させ、ジェスチャーをとりいれ、答え合わせの際は、挙手制などにしてみた。発声訓練では、歌を歌う際、打楽器を叩きながら歌ってもらうようにした。

結果

介護士は、送迎、入浴、レクリエーション、食事、排泄など生活に必要な動作に対し、密着していることが分かった。しかし、その全てに対し、お世話をしていた為、利用者の自立支援につながっていなかった事が分かった。そのため、利用者の残存している機能を維持していけるよう、できる事は利用者自身に取り組んでもらうことも必要だと考えた。病気や怪我によって活動機能が低下し家庭・地域に参加できなくなった利用者を医療・介護の力で保険になるべく頼らずその人らしく生きてもらうために多職種と連携し目標を共有していくことも大切だということが分かった。
MCを二人にして取り組でみたことにより、離れた席の利用者にも声をかけることができるようになり参加してくださる利用者が増え、笑顔や笑い声も2倍3倍にも増えて反応が良くなってきた事が分かった。テーブル内でマイクを通して利用者が答えを発してもらえるような場所の提供にしていこうと考える。

考察

デイケアでは入所や急性期病院から利用者を受け入れ在宅への生活を目指すための中核になる。利用者が日々の生活の中で、生きがいや目標を持ち家族の支援の下、社会復帰を図るために、リハビリや余暇活動を通して、機能強化を図り、心身機能、社会活動・参加をしていく窓口となる。また、そこで、利用者が自分らしく生活を続けていけるようになることで、デイサービスへ移り新しい生活、活動、参加へと導くことが目標と考える。自立支援においては、お世話をすることがその人のタメにならない事が分かった。今後は、プロジェクトチームの意見を参考に利用者様にアンケートを行う予定だ。アンケート内容は、目標をより明確にするものであり、目標ごとのグループワークをしていく。そして、介護士として利用者様の自立支援又は、社会復帰のお手伝いをしていこうと思っている。