秀慈会の活動
秀慈会は、国の方針に沿った医療・介護の取り組みを目指しています。
在宅復帰して、ご家族の負担を最小限に抑えて家で過ごせるよう、『認知症』と『リハビリテーション』に力を入れています。
職員を教育し、認知症やリハビリテーションに関して医学的研究・臨床を行い、常に新たな開発にも挑戦し、多方面から医療と介護の充実を図っています。
秀慈会の取り組みと実績
1. 急性期病院の『受け皿』施設としての役割
急性期病院からの『受け皿』施設として、療養型の白萩病院では医療度の高い患者様を受け入れており、萩の里では在宅強化型として急性期病院から在宅復帰を目指す患者様の受け入れを積極的に行っております。
これまで、急性期病院や精神科病院から重度のBPSDを伴ったピック病やレビー小体型認知症の患者様を42人受け入れました。少量薬物療法を実施して薬物量を徐々に減らしていくことに成功し、実際に在宅復帰をされました。
2. 少量薬物療法によるBPSD併発認知症患者様への治療
萩の里の認知症棟では、平成24年4月より新たな試みとして、重度のBPSDを併発している認知症患者様を受け入れ、『少量薬物療法』を施行した上でBPSDを軽減、在宅復帰していただいております。その後は、少量薬物療法に理解のあるかかりつけ医に引き継ぎ、各種在宅サービスを利用されております。
ご家族がレスパイト(介護負担の軽減)を必要とすれば、ショートステイのご利用や再入所する等の流れを繰り返し、現在まで42人の重度のBPSDを併発している認知症患者様を治療いたしました。
※ ここでいう『少量薬物療法』とは、一般的に精神病棟で使われている薬物療法とは別のもので、あくまで暴力行為などの周辺症状を落ち着かせつつも過鎮静にはならず介護がし易くなるように最小限の薬物量を調整し処方することです。
高度のBPSDを伴った認知症治療の基本原則
[医療面] 薬物療法は少量薬物療法を基本とし、副作用が出ないように少しずつ増量及び減量し、至適量を決めていく。[介護面] 4大認知症の症状を理解し、その病気の症状に合った介護を目指す→医療的ケア
※上記より絶対に薬物療法あるいは非薬物療法だけで治療しないで、薬物治療50%、介護50%で対応する。
3. 入所後の在宅復帰
萩の里に入所してご家族が無理なく在宅復帰ができるよう、ニーズに応じた介護・リハビリテーションを行い、他施設や在宅サービスと連携することで、ご家族のニーズに沿った在宅復帰支援を行っております。在宅復帰後は、必要に応じて再度ショートステイや入所を繰り返しながら身体能力・認知能力の回復・維持の継続が可能です。
4. リハビリテーションの強化
理学療法士や作業療法士による専門的リハビリテーションを行い、身体機能及び認知機能の向上を目指すとともに、大半の時間を過ごしている生活の場においても介護士が生活リハビリを行い、在宅復帰を支援します。
5. 看護師・介護士の教育
地域住民の健康回復への援助者として、患者様や利用者様のニーズに適したケアを提供しています。
看護・介護ともに段階的な指導を実施し、法人内外の研修会への参加、学会活動にも積極的に取り組むことにより専門的な知識・技術の向上を図っています。
特に認知症についての医師のレクチャーは申し送り時に日常的に行い、認知症への理解を深め、すべての人がその人らしく生活できるようケアしています。
また、人間学としての哲学の勉強会を通して一人ひとりが成長できるように支援し、職員の人材育成にも力を入れています。