第25回全国老健大会(岩手)
介護施設におけるリーダー論
~主任・主任補佐・副主任を経験して~
介護老人保健施設萩の里 田村浩臣

目的

・我々、秀慈会は各フロアーに主任・主任補佐・副主任を配置し組織を編成している。この3つの役職はそれぞれに大きな役割がある。役職者は各役割を理解したうえで業務を行う必要がある。私は誰もが行う事の出来るリーダー(役職)を追及し目指している。リーダーの役割を分析することで、任された次世代のリーダーがスムーズに業務を行うことが出来れば組織はとても強くなる。それと同時にリーダーは利用者・家族・サービス・経営理念にどのように影響してくるのか検討をした。

方法

・自ら3つの役職を経験し、各役職の役割を明確化する。そこで直面した難関や注意を常に書き留め、それに対しての対策を日々考えた。スタッフはリーダーによって大きく変わる。以前のフロアー状況と今のフロアーの違いや、アクシデント件数・クレーム件数・退職者人数の推移を表し検証した。

結果

・3つの役職の役割を明確化する事でメリットが多く生まれる。又、自ら経験することで各役職者の苦難を知ることが出来た。スタッフとはフロアーの心臓になりリーダーは脳になる。リーダーが統一しない限りスタッフのまとまりはないと言える。3つの役職が独自の仕事をこなす事により、フロアーに和が出来る。ここで言える和とは絶対なる信頼である。外面の和とはどの施設にもあるが、内面までの和は物にする事が困難である。この両面の和により、利用者・家族・スタッフを満足につなげることが出来、自然と各スタッフにリーダーの心構えを植え付けることが出来る。つまり私達をお手本として日々見て頂く。リーダーとは重い仕事である。しかし他がフォローする事で誰もが出来る物に変わると私は思う。

考察

・リーダーを行う者はあらゆる面でのアンテナを立てておく必要がある。それはスタッフの小さな違いに気づくこと。利用者様の情報を的確に把握する事。家族やスタッフに信頼される事である。困難というものは常についてくる。自身の気持ちがぶれる事なく、利他の心を決して忘れてはいけない。リーダーはみんなに希望を与える事が出来る仕事だと思う。いずれはどこの組織も世代交代がある。その時みんながリーダーとしての心構えを持っていれば、誰がリーダーになろうとフロアーは進化していくものである。現状維持とはいずれチームの堕落に繋がってしまう。私は“誰もが行えるリーダー”というものを今後も追及していき、終わりのないリーダー論を限界まで追い詰めていきたい。