第16回日本認知症ケア学会大会 (北海道)
平成27年5月23日~5月24日
タイトル: おやつ作りで認知症患者の五感を刺激する~ 認知症病棟のイメージ改革~
演者: 田村 浩臣

目的

認知症の方々の笑顔を増やす為に私達は楽しい取り組みを行っている。認知症利用者様の楽しみを多くしていく為におやつ作りを始めた。BPSDのある方が少しの時間でも穏やかに過ごして頂けるよう努めた。又、病棟に活気をもたらし家族がより面会に来やすくなる環境を、おやつ作りを通して提供しているので報告をする。

倫理的配慮

当施設の施設長・従業員・利用者・家族に対し協力の同意を得ている。

方法

定期的におやつ作りを行い、認知症利用者様の様子を記録に残した。BPSDのある利用者様が五感で感じてどのように変化をしていくのか検討した。又、おやつ作りを利用者様家族にもお伝えして、認知病棟のイメージと活気を増やしていく事に努めた。

結果

現在おやつ作りは認知利用者様の大切な行事になっている。認知症になったからと言って五感や欲求が無くなる事はない。目で見て楽しみ、耳で料理の音を聞いて、鼻で匂いを嗅ぎ、作った物を味わい、共に作る事で物に触れる。おやつ作りは認知症利用者様を夢中にさせる事が出来る。常同行動・徘徊のある利用者様も作っている場所に立ち止まり、ずっと見ていて下さる方が多くいた。一時的ではあるが、BPSDがある方でも夢中になる事があれば、それを抑える事が出来ると分かった。
又、家族は認知症棟を暗いイメージと思っている方が多くいた。イメージを崩す事で認知症棟は活気に溢れているフロアーに変化する。日々の面会者も増え私達のフロアーは家族と過ごす憩いの場に変わってきている。

考察

私達の行いは小さい事かもしれない。しかしその小さな行いが利用者様や家族をとても喜ばす事が出来る。小さい努力は大きな物に繋がる。私たちは今後も認知症利用者様の記憶に残せるような楽しい行事を提供していく。