川中~川下 医療法人の経営戦略 ~老健を活かした経営~
最新医療経営Phase3 (静岡)
「川中~川下 医療法人の経営戦略~老健を活かした経営」
医療法人社団秀慈会理事長 萩原秀男
川中~川下医療法人の経営戦略
―老健を活かした経営―
医療法人社団 秀慈会
理事長 萩原 秀男
当医療法人は医療療養型120床、老健(一般棟58床、認知棟42床)、診療所及び在宅系サービスを展開する静岡市内の中小医療法人です。
現在、力を入れている領域は急性期病院からの「受け皿」施設として、療養型では医療度の高い患者受け入れをしており、老健では在宅強化型として急性期病院より在宅復帰へ向けた患者受け入れをしている。
そして老健認知棟では新しい試みとして、平成24年4月より、ひどいBPSDを併発している認知症患者を受け入れ、少量薬物療法を施行しBPSDを穏やかにして在宅へ戻している。その後は少量薬物療法を理解するかかりつけ医に渡し、在宅サービスを利用。家族がレスパイトを必要とすればショート利用や再入所する等の流れを繰り返し、現在まで42名を治療した。
症例の内訳はアルツハイマー型(AZT)22例、脳血管性(VD)9例、レビー小体型3例、ピック病6例、そしてレビーピックコンプレックス2例であった。使用した第一選択抑制系薬剤はAZT及びVDに対しチアプリド25~75mg/日、DLBに対し抑肝散2~3包/日、そしてピック病に対しクロールプロマジン4~75mg/日である。治療の原則は副作用が出ないよう少しずつ薬を増減し、介護面では四大認知症の症状を理解させ症状に合った医学的ケアを行っている。絶対に薬物療法だけで治療せず、薬物療法50%・介護技術50%を基本とする事からも、老健での対応が最適であることが分かる。
家族の入所理由として、自殺を考えた2名、家庭崩壊してしまう10名、仕事が出来ず困る16名、施設への不満2名であった。家族から非常に感謝されケアマネや当施設の介護士からも喜ばれている。さらに色々な事が分かり、興味深い事も起っている。今まで医療機関にとって壁であったケアマネとの関係も良くなり、これからの医療・介護で何が重要か見えつつある。この辺に関して当日時間の許す範囲で述べる。
平成26年度 第1回職員研修発表会(静岡)